床矯正を代表とする可撤式矯正装置は主に混合歯列期の若い患者さんの不正咬合治療に用いられます。この治療法は患者さんがどれだけ長く装置を装着するかで治療結果が大きく異なります。一般的に最善の治療効果が得られる1日に必要な装置装着時間は12時間と言われていますが、エビデンスでは9時間から13〜16時間16時間の装着が望まれるとされます。はたして、患者さんはちゃんと装着してくれるのか?装着をしてくれるためにはどう動機付けをすればいいか? Schott TCらの論文をみてみましょう。

ドイツのTübingen大学矯正講座に来院した140人(男82人、女58人、平均年齢11.97歳)を対象にアンケートを行いました。内容は装置の装着時間に関して、「装置を装着する時間帯は?」、「誰が装置の装着を決める?」、「装置を装着するのは問題?」、「センサー付きの装置を受け入れるか?」

装置の装着時間について、平均装着時間は9.5時間、範囲は0〜15時間、標準偏差は3.41時間でした。

TAKA:平均9.5時間か、どうにかしてモチベーションを上げ、装着時間を上げる必要があるな。

「装置を装着する時間帯は?」の問いで一番高い回答(72〜75%)は、「夜間のみ」でした。「日中のみ」はいなく、「昼夜を問わず装着」は約22%でした。「特定の装着時間なし」はわずか4〜5%でした。

TAKA:やっぱ昼間は見た目が気になるから着けたくないのかな?

「誰が装置の装着を決める?」の問いに対して、男子の14%と女子の7.9%が自分に合ったときにだけ装置を着用したいと考えていました。女子の3分の1と男の子の60%近くが自分で着用時間を決めたいと思っていました。男子の28%と女子の58%は、歯科医から指示された通り着用しました。

TAKA:女子は結構言うことを聞くので、あとは男子をどう誘導するかがキモだな。

「装置を装着するのは問題?」の問いに対して、女子の78%と男子の81%が、装置の着用を支持していました。全回答者の18〜23%が装置を着用することに嫌悪感を感じていましたが、歯列矯正の改善が見込まれることから、これらを受け入れました。男子の77%と女子の82%は、矯正によって外観と歯列が改善されることを喜んでいました。

TAKA:やっぱり歯並びが悪いことをコンプレックスに思っていて、装置を装着することで改善されていることを理解してもらえれば、自発的に装置の装着をしてくれるかも。

「センサー付きの装置を受け入れるか?」の問いに対し、女子の32%と男子の21%が、着用時間センサー付きの装置は優れていると感じており、着用したいと思っていた。しかし、27%は着用時間センサー付き装置を着用することを望んでいませんでした。女子の41%と男子の55%は、治療期間が短縮できるのなら着用時間センサー付き装置を着用してもいい。

TAKA:結構子供は珍しいもの好きだから、モチベーションをあげるには良いかも。装置に興味を持ってもらう、カラーレジンとかシールの埋め込みも良いきっかけになるかもな。

TAKA:この論文と過去の論文からの結論。床装置は一定の時間装着しないと治療の結果が出ない。過去の論文より、装置の最低装着時間は一日9時間と発表されているがそれは否定的で、最低13時間装着が必要と思われる。装置を装着する上で一番重要なのが患者さんのモチベーションをどのように上げるか。一番効果的なのは患者(子供)を誉めること、成果が出てきて歯列が綺麗になっている努力を讃えるのが一番。しかし、20%の患者さんは歯列が綺麗になろうがなるまいが、矯正治療に興味が無いためモチベーションを上げるためには親の協力とともに何かしらの対応が必要である。そこでこの論文で書かれていたセンサー付き装置をはじめ、普通と違う装置を使うことで装置自体に興味を湧かせ、治療が受け入れ難い20%のモチベーションを上げることが鍵と思われる。

写真はイスラエルの会社で作られている着用時間センサー付き装置。2012年、GNYDMで見かけました。もうあれから8年だから、小型化や様々な企業が参入していると思われる。

と、柄になく、真面目に語ってしまった、、、