Dr貴規の論文から探る歯科治療”No.6新型コロナウイルス(ウイルス名:SARS-CoV-2、病名:COVID-19)の常識・非常識 第一回はこちら

始まる前に少し面白い研究を…

眼鏡着用が感染予防に有効

マスク着用があまり感染予防に有用でないことは前回お伝えしましたが、装着して感染予防に有用なものの一つとしてメガネが挙げられました。飛沫感染が主な感染経路でありますが、飛沫が目に入り感染する可能性があります。中国人276人を対象としたこの論文では、近視で眼鏡を着用(一日8時間以上)していた人(155人)と裸眼(121人)を対象としました。その際、SARS-CoV-2により飛沫感染した人数は眼鏡着用者が5.8%、裸眼が31.5%でした。この中にコンタクトレンズ使用は除外されましたが、リスクは高そうです。ですので、コンタクトの人も伊達メガネを、診療中はルーペ等で飛沫感染を予防しましょう!

感染者数はPCR陽性者数ではありません!

最近ニュースで感染者数が増大したとありますが、あれは全てPCR陽性者数となります。なので、感染者ではありません。国会でも取り上げられたのに、視聴率のために虚言を、、、それでお金を稼いでいる職業なのでしょうがないですが、、、参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会(2020/12/02)ビデオ内の2:00:38ではPCR検査の高Ct値(高サイクル)による偽陽性(死んだウイルス、ウイルスのかけらが付着していても陽性となってしまう)の討議が、2:08:00ではニュースにおける感染者数はPCR陽性者数を示しPCR陽性者数(偽陽性多数にも関わらず)は感染力が必ずあるわけではないと政府が説明をしています。面白いのでお時間がある時に見てみてください。

~TAKAの独り言~

((これをみていると、メディアは取り上げるニュースがないから新型コロナのニュースばかりを、感染者数(正確にはCt値を捏造されたPCR検査による陽性と偽陽性の総数)を操作しているようにしか感じられません。元々、PCRの感度は70%で特異度が99%くらいなので、Ct値を上げて感度を操作したい気持ちはわかりますが、、、以前、小池都知事が感染者数を「60代に乗せると聞いている」とおっしゃっていました。乗せるって???(図01)

図01

PCR陽性と感染者との違いはなんでしょう?

前述しましたが、異なります。まずウイルスは接触でも飛沫であっても体表、粘膜等に付着します。飛沫感染によりウイルスの付着が鼻粘膜ならPCR検査をしたら陽性となります(前述のCt値が35以上だと偽陽性の可能性大)。もしかしたら指にウイルスがいて、採取の際に誤って触れてしまったらPCR陽性になってしまうこともあります。しかしこの時点では感染ではありません。ウイルスの存在、ウイルスの死骸の存在は証明されます。付着したウイルスは受容体にたどり着き、体内に入り感染となります。SARS-CoV-2は呼吸器系の2型肺胞細胞、腸上皮細胞、内皮細胞、眼や腎臓の上皮細胞、肺胞単球細胞やマクロファージなど一部の免疫細胞、大脳皮質、脳幹などの神経系細胞などのACE2を介して細胞に侵入し増殖します。その後ウイルス数を体内で増加させ、免疫応答が始まります。ウイルス数が増えずそのまま死滅する(無症状)か、何らかの症状(味覚障害から発熱まで、後述)が出て感染症となります。その後回復しても鼻粘膜にはウイルスの死骸がいるのでPCR検査は陽性となります。ですので、「ウイルスの存在」、「感染」、「感染症」、「回復」全てのステージでPCRは陽性となります。現に東京都で感染者をホテル等で隔離した後、発症後7日間(感染力が無くなるため、後述)でPCR検査なしに家へ帰されます。ここでPCR検査をしても確実に陽性になるからです。ちなみに、治癒後最大37日までPCRが陽性になります。(図02)

図02

感染力は?

新型コロナウイルスの潜伏期は最大14日(大体4-7日)で発症します。つまり、感染した最初の5日間は全く症状がありません。ちなみにインフルエンザは1-2日です。そのため、週末に飲みに行った、セミナーでワイワイ騒いで感染した場合は、だいたい次の週の木曜日に発熱します。もちろん症状がでた時は感染力がありますが、他人への感染力は発症2日前から始まり、発症0.7日前でピークとなり発症7日程度で無くなります(図03,04)。感染している人と濃厚接触(手で触れるか、対面で感染対策なしに1mで15分間接触)することはないかと思いますが、発症前の人(48時間前)と濃厚接触する可能性はあるので注意が必要です。

図03
図04

感染したら?

新型コロナウイルスに感染すると、一般的には50%、論文より18-81%は無症状(PCR陽性もしくは感染者)で経過します。症状が出る(感染症)と高熱(37.5℃以上)、咳から味覚障害、下痢、皮疹と様々です。私の知り合いで陽性になった人は20代後半の女性、感染者の濃厚接触者として保健所から連絡が来てPCR検査を行ったところ陽性でした。症状は発熱はないものの、味覚障害と嗅覚障害がありました。世界の研究より、味覚障害の74%は4週間で味覚が戻るらしいですが、新型コロナに感染した友達に聞くと、味覚障害時はお米がゴムみたいに、コーヒーはガソリンみたいに感じるそうです。パリパリ、ボリボリした食感がある食べ物だけ食べていたそうです。怖いですね、、、。

~TAKAの独り言~

(倦怠感という言葉がよく出てくるのですが、それって言い訳?と思ってしまう、、、新型コロナにかかってしまったら、「俺、コロナにかかったんで、ちょっと調子出ないっす」みたいに言われ、言われた人も、「あー、大変だったねー、では仕方ないね」というお話です。最近は何かあったら「コロナなので」と言えばどうにかなる風潮がありませんか?)

図01

子供が感染したら?

子供はよく風邪をひき発熱します。この風邪のような症状は殆どがウイルス性で、コロナウイルス(新型ではありません)も含まれています。人類のほぼ100%はコロナウイルス感染者で抗体があります。それでは、子供が新型コロナウイルスに感染したらどうなるのか、無症状は約2割、症状が出た子供は大人と同じく発熱や咳が主で、重症度化は殆どなく、死者は0です。東洋経済から年齢別の陽性者数を見ると、新型コロナウイルスに感染した10歳未満と10代の子の死亡と重症化は0名です(図05,06)。ということは、新型コロナウイルスは子供にとってはただの風邪(元々、広義のコロナウイルスは子供の風邪の原因ウイルス)と同じ扱いになります。そのため、最近では若者の中で感染拡大が広がり、そして家庭内で二次的に感染拡大する傾向にあります。特に子供を多く見る床矯正治療、子供がまだ若いご家庭の先生におかれましては十分にお気をつけてください。

インフルエンザとの比較

インフルエンザウイルスはシベリア凍土、アラスカなどの北極圏にいます。(ウイルスの起源がわかる、ここが新型コロナウイルスと違いますね)カモがシベリアで捕食中にウイルスを取り込み、その後アヒルもしくはニワトリに伝染し鳥インフルエンザとなります。そこから稀に直接人間にも感染させるものもありますが、一般的には鳥インフルエンザが豚に移りH1N1、H3N2等の人間に感染させるウイルスへ変化します。今年は輸入、観光客(ヨーロッパ、中国、カナダ、アメリカ等)に制限があったことに加え、感染予防対策に徹底したためか、今年の感染者数は去年と比べ1/500〜1000となりました。一般的なインフルエンザの感染者数(2018年度)は1,000万人を超え、死者数は3,325人、致死率は0.03%です。新型コロナウイルスと死者数はやや似ているものの、致死率は雲泥の差です。日本におけるインフルエンザの致死率は18-49歳で0.02%、50-64歳で0.06%、65歳以上で0.83%に対し、新型コロナウイルスでは(1月23日現在)50-60歳で0.3%(113人)、60-70歳で1.3%(328人)、70-80歳で4.4%(944人)、80歳以上で12.0%(2,401人)となります。肺炎と比較すると全く話は変わってきますが(肺炎による死亡者数;70-80歳: 19,683人、80歳以上: 98,495人)、特に高齢者に高リスク(前述)であることは確かとなります。

いったい、抗体はいつまで体の中に?

一度ウイルスに感染すると、体内にIgG抗体ができ、再度同じウイルスに感染しにくくなります。この抗体価はある一定量になると効果を示さず、再感染の可能性が出てきます。ハーバード大学からの論文で、SARS-CoV-2に感染して100日までの抗体を検査したところ、抗N IgGは88%、抗Sは72%、抗RBDは74%減少しました。つまりCOVID-19から回復後100日まで抗体を保持していた人は12~28%となります。3ヶ月で5人に1人くらいという確率ですね。では、どんな人がより長く抗体を保持していたか?これは、軽症で済んだ患者の大半は重症者に比べて抗体価は低く、短期間のうちにさらに抗体価が低下することが観察されました。重症化した人はその分長く抗体を保持できるが、軽症の人は半月で抗体がなくなります。

~TAKAの独り言~

(この論文では、抗体価の持続は年齢やBMIとは無関係と書いてありました。よく俺はラッキーだとか、俺はコロナに強いなんていう人はいますが、そんなことは全くなく、単純にウイルス感染で苦労した人ほど抗体が長続きするという単純なお話です。)

重症化したら?

新型コロナウイルスに感染した場合、怖いのは重症化し、最悪の場合死亡してしまうことです。新型コロナウイルスに感染し入院している患者さんは基礎疾患が多いというデータがあります。一番高いのが高血圧、次いで肥満、代謝疾患。それでは死亡率との関連はどうでしょう。1,700万人を対象に行なった結果、一番関連性があったのは年齢でした。50-60歳の人の死亡率を1とした際、60-70歳は2.09倍の、70-80歳は4.77倍の80歳以上は12.64倍のリスクが向上します。そのため、70歳を超えている方には注意が必要となります。また、臓器移植(4.27倍)、悪性腫瘍(3.52倍)、糖尿病(Uncontrolled: 2.36倍)の死亡リスクは高く、しかし高血圧(0.95倍)、喘息(1.11倍)で死亡のリスクは優位に高くありませんでした。面白いデータとしては、女性より男性の方が(1.99倍)、BMIがClass III (≥40 kg/m2 )(2.27倍)、喫煙者(0.88倍)となります。

また、東洋経済から日本で起きた第1波から3波までの死亡率の意向が見ることができますが、日本の医療水準が安定してきて死亡率が下がっている(年代:1波-2波-3波、60代:4.99%-1.26%-0.83%、70代:14.78%-3.81%-4.57%、80代以上:29.30%-10.72%10.25%)ことが伺えます。

~TAKAの独り言~

(日本では65歳以上の基礎疾患がある人は死亡リスクが高いと公表されていますが、この論文からはそのようなデータを伺うことはできませんでした。日本の65歳以上は基礎疾患保有率が多いだけではないでしょうか?)

(また日本の闇について一言。新型コロナウイルスに感染した人が死亡した場合、厳密の死因を問わないと厚生労働省が報告しています。(図07)これは、自宅療養の一人暮らしの男性が死亡しても、死因を問わない、もしかしたら何らかのトラブルに巻き込まれているかもしれないのに、、、闇ですね。)

図07

ワクチンは接種した方がいい?

世界では様々なワクチン開発がなされています。(図08)そして最近ではファイザーとモデルナのmRNAワクチン、BNT162b2の接種が始まりました。日本では2月に3億回分のワクチン接種の準備が整うようですが、世論では7割の人が様子見したいと、積極的に摂取をしたくないようです。これはニュースでワクチン接種後に起こったアナフィラキシーショックを問題視するためなのでしょうか。しかし、どのようなワクチンを摂取してもアナフィラキシーのような副反応は起こります。もちろんインフルエンザワクチンにも。しかしこのワクチンはどうも副反応が多いようです、、、。研究によると、トータル37,000人が参加し、半数にワクチン接種を行い、有効率は95%でした。このワクチンは2回接種しなければいけないのですが、1回目接種後に1名死亡、2回接種後に1名死亡の報告がありました。ワクチンの副反応として倦怠感(51-59%)、頭痛(39-52%)、筋肉痛(29-37%)が挙げられ、55歳以上と比べ55歳以下の方が副反応は少なかったです。一番辛そうな副反応は嘔吐(1-2%)と下痢(8-10%)が一日中続くとのことでした。ワクチンの副反応に関しては高齢者の方が少ないので、進んで接種した方がいいですね。そこでアナフィラキシーになったら?それは運?アレルギーな体質?加えて自身の体がどう免疫応答するかです(後述)。ここでいうアナフィラキシーは歯科において浸潤麻酔をしてでる狭義のアナフィラキシーがとは違います。リスクとアドバンテージを考えれば高齢者は接種した方がいいと思います。

ファイザー社のワクチンは危険?

BioNTek-Pfizer(BNT162b2)ワクチンは他のワクチンよりも10倍アナフィラキシーショックがあるようです。普通のワクチンは100万人に一人の割合なのに対し、このワクチンは10万人に一人の割合でアナフィラキシーが起きるようです。次の論文に詳細が書かれています。

アナフィラキシーショックの内訳

BioNTek-Pfizer(BNT162b2)ワクチンを1,893,360人に接種し、アナフィラキシーショックは21人、確率は前の論文と同じくらいですね。平均年齢は40.5歳(27-60歳)と比較的若い人に多いです。そして21人中男性は2人だけ、殆どが女性でした。アナフィラキシーショックの内訳は蕁麻疹、血管性浮腫、紅斑、喘息、咳、吐き気、かゆみ等で死者は0、発症までに平均13分かかり、この21人中17人は薬物や食物アレルギー(サルファ剤やペニシリン系、卵や牛乳、犬や猫、以前蜂に刺された等)でした。このデータから、アレルギーをお持ちの若い女性に副反応が出やすいようです。(図09)

~TAKAの独り言~

(最近、ワクチンを接種して副反応が起き、アナフィラキシーが起き、死亡する人もいると色々騒がれています。だからワクチン接種は嫌だ!というのは、それはあくまで個人の自由で、リスクとアドバンテージを理解した上での決断だと思います。もしワクチン接種を拒否するのなら、海外や国内に旅行することは控え、今までの生活を遵守してください。私は海外や色々な所に行きたいのでSARS-CoV-2ワクチンを接種します。インフルエンザワクチンは必要ないですが。)

後書き

私にはみなさんご存知の75歳の父がいます。70代は新型コロナウイルス感染後死亡確率4.4%、50代の人よりも死亡率が4.77倍、女性と比べて1.99倍、タバコはヘビースモーカーだけどそこに有意差はなし、アレルギーも特になし。数字だけ見ると高くはなく、ワクチンの副反応も起こりづらそうなので、早く接種してもらいたいですね。というか、少し書き過ぎました(笑)読んでいただきありがとうございます!