図1

ビール発祥の国エジプト、しかしビールは宗教上飲んではいけないエジプト人、なんか面白いですよね。でもこのSAKARA(図01)は歴史あるビールでエジプトどこでも飲めますが、エジプト人は飲みません。面白いなwさて、エジプトといえばピラミッド?スフィンクス?いえいえ、アレキサンドリア図書館がお勧めです。その歴史あるアレキサンドリアで行われる学会、Alexandria International Dental Congressで以前講演する機会をいただきました。日本人は全くいないと思っていましたが、東京医科歯科大学からインプラント科教授の春日井先生、矯正科教授の小野先生(図02)がいらしていました。小野先生はその時初めて会い、興味深い話を色々としました。今回のメルマガでは、小野先生がその時に研究されていた論文が発表されたのでご紹介したいと思います。

図2

タイトルは“Effects of low occlusal loading on the neuromuscular behavioral development of cortically-elicited jaw movements in growing rats”です。研究目的は小児期の軟食化による咬合負荷低下が成長期における中枢性咀嚼運動の成長障害の原因となるかを解析することです。成長期のラットを用い、軟食を再現した粉末飼料(低咬合負荷:Experimental)と通常の飼料(Control)を用い飼育したところ、中枢性咀嚼運動において、低咬合負荷群は水平・垂直的学運動量が優位に低下することが判明しました(図03, 04)。柔らかいものを噛んでいたら、顎がしっかり動かなくなるということですね。顎がしっかり動かないということは、筋系、特に咬筋と顎二腹筋の活動が気になるます。中枢性咀嚼運動時の筋活動において、低咬合負荷群は潜時(筋活動までの時間)が優位に延長し、活動電位幅が優位に減少しました(図05)。よって、成長期における低咬合負荷は皮質咀嚼野誘発性顎運動を指標とした咀嚼運動の中枢性制御機構の発達遅延を生じることがわかりました。

図3
図4
図5

小野先生がこの研究意義に対し以下のことを述べました。

「離乳期以降に口腔機能が正しく発達することは、その後の健康につながります。成長期に適切な機能獲得が行われないと正常な顎顔面領域の成長発育が得られず、将来的には接触・嚥下障害のリスクが高くなることが予想されます。これらの予防を行うことは、ひいては高齢者におけるオーラルフレイルの予防や健康寿命の延伸につながり、社会的に大変意義のあることです。

本研究で得られた結果は、食物の軟食化による咬合負荷低下に伴う顎顔面成長障害の新たな病態機構を示すとともに、発症リスクの根拠を明示することにより、成長期におけるいわゆる“食育”の意義を啓発するものです。」

~TAKAの独り言~

小野先生はエジプト以外にニューヨークでも一緒に公演をしました。よく海外の学会で会う感じでした。小野先生はとても研究熱心で、その内容は素晴らしいものです。このような世界のトップの先生と出会えたのもニューヨーク大学のおかげです。世界中で講演するのは楽しいですが、商店街のおばあちゃんの治療も良いもんですね。