E、たまにDの低位歯を見ることはありますか?長年臨床をやると見ることも多いかと思います。なんとなく後継永久歯がないと低位歯になりやすいかな?下顎のほうが上顎より頻度があるかな?という感覚を私は持っていますが、皆様はどうでしょう?ではまず、低位歯の起こる確率は?世界の論文では、、、

6万人中40人(ヨーロッパ)、1,861人の1.3%(ノルウェー)、400校生徒の2.5%(イギリス)、1,539人の3.8%(イギリス)、1,042人の9.2%(イスラエル)、2,342人の1.3%だが従兄弟の44%、2,105人で3.2%(8-12歳:アメリカ)、1,641人で6.9%(2.5-14歳:アメリカ)、2,234人で3.7%(6-12歳:アメリカ)、1,767人で9.9%(10州:アメリカ)となります。ざっと10個の論文を見ましたが、どうも最初のヨーロッパの論文はエビデンスが低いらしいです、、、多いところは10%?結構ありますね。でも、平均を見れば大体3%くらいの数字でしょうか。

次になぜ低位歯となってしまうのか?感覚的にはアンキローシスと同じ臨床症状ですが、レントゲンを見ると歯根膜がありそうな?そこで、スウェーデンの歯科大学の矯正学講座から、乳歯を抜歯して病理学診査をした論文を見てみましょう。

対象は58人の子供(男子:26、女子:32)の乳臼歯102本を3-17歳(平均10.1歳)、乳歯は低位乳歯62(後継永久歯あり:48、後継永久歯なし:14)(下顎:44、上顎:18)と正常位置の乳歯40(後継永久歯あり:37、後継永久歯なし:3)(下顎:24、上顎:16)が抜歯され病理検査した(図1)。

図1

アンキローシスがみられたのは、48本中38本の低位乳歯(後継永久歯あり、6-15歳)と、14本中12本の低位乳歯(後継永久歯なし、8-17歳)であった。40本の正常乳歯にはアンキローシスは見られなかった。
病理像より、アンキローシスは根内側にのみ見られ(図2, 3)、根尖部には見られなかった。

低位乳歯のアンキローシスは根内側にみられる局所的な現象で、原因はおそらく歯周組織の発達障害が原因と見られる。また、アンキローシスの低位乳臼歯は静的な状態ではなく根吸収が起きている動的状態である。

~TAKAの独り言~

Eの低位歯は程々見るので、3%は無難な数字かと思います。驚くことは日本での論文が発表されていないので、日本床矯正研究会でデータを集めたらパブリッシュできますね。そしてやはり低位歯の原因はアンキローシス、しかしパノラマで見るとEの開いた根の外側は歯根膜が明瞭で内側は、んー、どうだろ?という感じです。後継永久歯のないE抜歯後に写真を撮ってみると、普通の抜歯や外部吸収歯とだいぶ異なります。なんとなくジャイアントセルが伺え、露出した歯髄が見られ、歯根膜特有の網状出血は無い。本来は後継永久歯の歯冠がEの根を内側から吸収するはずが、後継永久歯が欠落するこで起こる歯周組織の発達障害なのでしょう、なるほどね〜。まー、原因はわかったとして、ではどうする?