IoT化が進み、生活でも仕事でもデジタル技術は必要不可欠となりました。そこで、経済産業省が2018年に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を発表しました。デジタルトランスフォーメーション(DX)はデジタル化とどう違うのでしょう?

良く「デジタル化」という言葉を耳にしますが、本当の意味とは?このデジタル化はデジタイゼーション(Digitization)と呼ばれ、デジタル技術を利用してビジネス・プロセスを変換し、効率化やコストの削減、あるいは付加価値の向上を実現する場合に使われます。例えば、昔使っていたフイルムカメラがデジカメや携帯で写真を撮ることや、紙媒体がPDFになることなどが挙げられます。歯科医院においては、アルジネート印象から光学スキャナーによる印象を行うことがデジタイゼーション、デジタル化となります。

また、デジタライゼーション(Digitalization)という言葉があります。これはデジタル技術を利用してビジネス・モデルを変革し、新たな利益や価値を生みだす機会を創出する場合に使われます。例えば、物販からサブスクリプションへ、自動車の所有からカーシェアリングへ、ダウンロードからストリーミングが挙げられます。歯科医院では、在庫管理や発注、予約管理等をAIを用いて管理することが挙げられます。

クリニックのデジタイゼーションとDXは、材料、保管、人材、時間の節約が可能とします。特にこれから少子高齢化が進むにつれて、とても重要となるのが働き手、人です。人員を削減可能とするデジタライゼーションはこれから歯科医院を経営する上で鍵となると思われます。

この分野の話は好きなので、少し長くなってしまいましたが、、、もし気になる方は、経済産業省の『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』を参照お願いします。

歯科におけるデジタイゼーションの一つ、光学スキャナーはお持ちでしょうか?床矯正治療を行うにあたり避けられないのが印象採得、特に子供に対してや嘔吐反射が強い患者さんの印象に悩まされることがあります。そのような時に活躍するのが光学スキャナーです。今のほとんどの機種は十分な精度を有しています。どのくらいの精度が必要なのでしょうか?今までのアルジネートや寒天印象の精度、石膏の硬化膨張、20μmのセメントスペース等を考えると、問題ない印象精度を有しますが、ただし硬組織・歯牙に対してです。光学印象は写真の連続撮影をスーパーインポーズするため、どうしても軟組織の印象精度が悪いです。どのくらい悪いかというと、Jonas Winklerの論文より上顎口蓋粘膜の印象誤差は0.3mm以上の場合があります(図01, 02)。

(左から図01.図02)

これは機械が良くなれば精度が上がるのか?多分、それはないと思います(光源の波長を変える、多レンズの応用なら可能か?)。そのため、インプラントの全顎補綴や総義歯を印象の際には、fiducial marker(基準マーカー)が必要となります(図03)。

図03

また、歯肉溝や歯間部の印象精度も低いです(図04)。

図04

光学印象はインレーやクラウン等の歯冠修復には問題ないものの、床矯正装置製作時には少し問題があり、特にアダムスのクラプス維持と口蓋粘膜の適合性を良くするため、STLファイルの調整が必要となります。
デジタル技術で色々と便利にはなりますが、デジタル技術自体を理解することで裏に隠されたデメリット等に対応し、初めてデジタル技術を駆使すると言えるかもしれません。

~TAKAの独り言~

これからTAKA株式会社は、光学印象から満足いく床矯正装置製作まで行います。光学印象のSTLファイルと技工指示書をメールで送っていただければ、床矯正装置と3Dプリンテッドモデルをお送りいたします。サービスの開始時期など詳細は追ってお知らせいたします。これも歯科におけるデジタイゼーションの一環として頑張りたいと思います。
本当はVR(仮想現実)とMR(複合現実)のことも話したかったですが、また今度の機会に!